遊戯王 デュエルモンスターズ4~最強決闘者戦記(GBC)


赤を買うか、青を買うか、黄色を買うか、だいぶちょっと違うよ

◆個人的評価◆

映像・演出  ★★★☆☆

サウンド   ★★★★☆

操作性    ★★★☆☆

難易度    ★★★★☆

ボリューム  ★★★☆☆

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2000年12月7日にコナミから発売されたゲームボーイカラー用ソフト。通称「DM4」。

「遊戯デッキ」「海馬デッキ」「城之内デッキ」の3バージョンが同時発売され、

それぞれのバージョンで使用できる(デッキに入れられる)カードが大きく異なるのが特徴。

制限ルールが好きな管理人個人の評価としては、本作は普通に「名作」なのですが、

本作に対する世間の評価はかなり低いという事で、問題点を中心に書いていきます。



ゲーム版遊戯王の面白さを語る上で外せないのが、やはり"融合システム"でしょう。

本家遊戯王では「指定されたモンスターを2体以上」というのが融合召喚ですが、

前作「DM3」に引き続き、このDM4ではとにかく融合の組み合わせが豊富。

例として、「ドラゴン族モンスター」+「植物族モンスター」で「みつりんのこくりゅうおう」、

「女性型モンスター」+「岩石族モンスター」で「サンド・ウィッチ」と、イメージしやすいのもポイント。

ゲーム開始時の自分のデッキはレベルの低いモンスターばかりの頼りないものですが、

融合を利用することで一気に主力モンスターを生み出すことができ、下記の「召喚魔族」システムと合わせて

「どんなモンスターも活躍のチャンスがある」というのがこのDM4最大の魅力でもあります。

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低レベルのモンスターばかりの初期デッキでも…

融合で簡単に上級モンスターを生み出す!

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また、前作「DM3」から引き継がれたもう1つの特徴である、「召喚魔族」。

これは一方に強く一方に弱いという、じゃんけんの様なシステムです。

-

・召喚魔族の優劣は以下の通り・

もりまぞく  →  かぜまぞく           くろまぞく  →  しろまぞく

 ↑         ↓               ↑         ↓

ほのおまぞく     つちまぞく          げんそうまぞく ←  あくままぞく

↑          ↓                        

みずまぞく  ←  かみなりまぞく        かみまぞく(召喚魔族の影響を受けない)

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これは、後に発売されたクソゲー問題作である「封印されし記憶」にも「守護星」として登場しましたが、

優位な属性に対しては攻撃力・守備力が500アップするというもので、

一部のモンスター以外はほとんど恩恵を受けられませんでした。

一方本作では、相手よりも優位な種族ならばどんなに能力が低くても一方的に勝つことができ、

しかも戦闘ダメージも一切受けないという、上手く使えば非常に強力なものになっています。

例として、攻撃力300のくろまぞくモンスター「クリボー」が攻撃力3000のしろまぞくモンスター

「ブルーアイズ・ホワイトドラゴン」とバトルを行った場合、一切の戦闘ダメージを受けずに倒す事が出来ます。

つまり、能力の高さが全てではなく、相手がどれだけ強いカードを出してこようが、

相性さえ勝っていれば弱いモンスターでも勝つ事ができます。(逆もまたしかり、ですが)

これによって、攻撃力500以下のような弱小モンスターでも、「相手の切り札を倒す役割」として手札に残しておく、

という駆け引きが生まれる訳です。

攻撃力900のモンスターで攻撃力1800のモンスターを撃破!まさに下剋上!

当然、このシステムそのものが嫌いという人もいるでしょう。

上記の例ならば、生け贄3体でようやく召喚したブルーアイズがクリボーに一方的に負けるというのは、

自分で決めると爽快ですが、相手にやられるとこれほど頭に来る事もないでしょうし

本家遊戯王のオフィシャルカードゲーム(以下OCG)プレイヤーほど、その傾向が強いかもしれません。

しかし、「どんなカード(モンスター)にも活躍の場がある」というのは、

対戦ゲームとしては最高の評価点ではないでしょうか。

最も、存在価値の無いカードが山の様にあるカードゲーム自体が異常なのですが。

「封印されし記憶」とか「封印されし記憶」とか「封印されし記憶」とか。

個人的には、「封印されし記憶」に召喚魔族システムが採用されていれば、名作になっていたと思うのですが…。

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本作の問題点の1つが、儀式召喚モンスターについて。

儀式召喚は前作と同様、指定されたモンスター(キーカード)が自分フィールド上に存在している状態で、

自分フィールド上の2体のモンスター(何でもOK)を生け贄に儀式魔法を使うというもの。

つまり、最低でも3体のモンスターが必要となります。上級モンスターをキーカードとしているモンスターもおり、

例えば、儀式モンスター「スーパーウォーライオン」は☆6の「レオグン」がキーカードになっているため、

この場合は計4体もの生け贄が必要になってしまいます。

その分、儀式モンスターは全て召喚魔族による影響を受けない「かみまぞく」に属しており、

格下のモンスターに倒されるという心配だけはありません。 ところが…。

終盤の相手は、モンスター除去カードやコントロール奪取カードをガンガン使ってくるので、

結局フィールドに維持させるのは難しく、儀式召喚の手間に見合わないカードになってしまっています。

更に、プレイヤー側は儀式モンスターを直接生け贄召喚する事はできませんが、

コンピュータは平然と生け贄召喚を行って来ます。

特に、ペガサスや獏良は「サクリファイス」や「サウザンド・アイズ・サクリファイス」を

手札からいきなり召喚して来る為、非常に厄介な相手となっています




そして、本作の評価を最も下げている要因が、バージョン毎にデッキの強さが異なるというもの。

一般的には城之内デッキが最も強く、海馬デッキが中間の強さ、主人公である遊戯デッキが最も弱いとされています。

海馬デッキは、相手モンスターを全て破壊する最強の除去魔法「サンダーボルト」を唯一使う事が出来ます。

また、相手モンスター全てを二段階パワーダウンさせる「やみのじゅばく」、

攻撃力1500以上の相手フィールドモンスターを全て破壊する「しのデッキはかいウイルス」と、

海馬らしいパワータイプのカードが揃っており、意外と柔軟に戦う事が出来ます。

海馬デッキ最強クラスのカード「オベリスクのきょしんへい」の効果も、

「相手モンスターを全て破壊しつつ、ライフポイントに4000ダメージ」と超強力。



遊戯デッキは、お互いのモンスター&トラップカードを全て破壊する、ある意味最強の除去魔法「おおあらし」、

相手の墓地のモンスターを自分のフィールドに召喚する「ししゃそせい」、

「クリボー」一枚のカードを一気に5枚に増やし、自分を守る壁や生け贄召喚のサポートにできる「ぞうしょく」、

3ターンの間相手の攻撃を完全に封じる「ひかりのごふうけん」と、

魔法カードの充実ぶりは流石主人公といった所でしょうか。

このように、決して使用できるカードに恵まれていない訳ではありません。

(なぜか遊戯デッキだけ、フィールド魔法カードを一切使用することができませんが)

「ブラック・ホール」の上位互換である「おおあらし」は、一見デメリットも大きいように見えますが、

DM4にはOCGでいう「フェイズ」の概念が無い事を忘れてはいけません。

つまり、自分のモンスターを生け贄にしてから「おおあらし」で相手のトラップごと場を一掃し、

上級モンスターを生け贄召喚して直接攻撃という芸当が可能なのです。

これは海馬、城之内デッキには決して真似出来ません。

海馬デッキなら「ブラックホール」で似たような事が出来ますが、

トラップカードを破壊出来る分、「おおあらし」の方が優秀と言えます。

ただ、遊戯デッキ最強の切り札である、オシリスの天空竜の弱さは誰もが認める事でしょう。

その効果は「自分の手札の数だけパワーアップ」それだけです。

自分の手札が5枚なら500×5で2500アップ…ですらなく、本作は強化カードは二段階で打ち止めとなる為、

最高でも攻守5000が限界。更に効果を発動したターンは攻撃出来ない為、余計に弱く感じてしまいます。

せめて原作にちなんで、

「手札の数だけパワーアップすると同時に、相手のフィールド・手札の守備力2000以下のモンスターを全て破壊」

とかだったら、本作唯一の手札破壊カードとなり、それなりに強力だったのですが…

一方で、最強と言われる城之内デッキの特徴としては

「強力な効果を持ち、かつ低コストの豊富な魔法・罠カード」が挙げられます。

相手の最強モンスターを問答無用で破壊、コストも非常に低い「やみへのてまねき」、

相手モンスターを全て破壊し、カードコストも低くおまけに3枚投入可能という、

「サンダー・ボルト」も真っ青の凶悪トラップカード「げきりゅうそう」、

相手の最強モンスター1体のコントロールを永久に得る「こころがわり」がその筆頭でしょう。

また「ラーのよくしんりゅう」の効果も、可能な限りの「ししゃそせい」+「こころがわり」という極悪性能。

ただし、このゲームのトラップカードは最凶の罠カード「げきりゅうそう」を除き、そこまで強力なものではなく、

有効性はOCGの比ではありません。 確かに、全体的にトラップを除去できる手段は非常に少ないですが、

OCGとは違い、フィールドにセット出来るのは一枚だけ。

そして前述の通り、このゲームには「フェイズ」が存在せず、

【モンスターで攻撃して罠カードを誘発させる】→【新たなモンスターを召喚し、攻撃】

という、トラップの被害を最小限に抑える手段もあります。

 

むしろ、DM4で最も強力なのは「魔法カード」の存在でしょう。

本作の魔法カード最大のメリットは、「サンダー・ボルト」を跳ね返す「ひらいしん」や、

強化魔法をパワーダウンの効果に変えてしまう「あまのじゃくののろい」といった一部のカードを除き、

「効果を無効にされることがほとんど無い」という事。

遊戯デッキ専用の強力な魔法カード達は、これらの妨害カードが存在しないのです。

長々と語りましたが、個人的には「言われているほどバージョン毎に格差がある訳ではない」と思います。

確かに遊戯デッキはモンスター・トラップ除去カードに乏しいという欠点はありますが、

フィールドにモンスターを並べやすいという長所も持っていますし、強力な魔法カードも唯一使用できます。

全体的に強力なカードが城ノ内デッキに集中しているのは紛れもない事実ですが、

基本的には、自分の好きなキャラのバージョンを選んでも問題は無いでしょう。

「使用できるカードに制限がある」という点だけ目をつぶれば、BGM・ゲームテンポ・そして相手COMの強さと、

ゲームボーイのカードゲームではかなりオススメです。

ちなみに余談になりますが、このゲーム、対戦中はカード名が8文字までしか表示されない仕様

(カード詳細画面ではちゃんと表示される)で、カード名には漢字表記も使えない為、

例えば「砦を守る翼竜」は「とりでをまもるよ」、「紫炎の影武者」は「シエンのかげむし」

「青眼の白龍」は「ブルーアイズ・ホ」と表示され、そのシュールさが笑いを誘います。

また、本作は登場するデュエリスト(対戦相手)全てに個別のBGMが用意されており、それだけで実に17曲。

前作からの使い回しも数曲含まれてはいますが、それぞれに個性があり、聞き比べる楽しみもあります。

特に、キャラの印象とは真逆の爽やかなBGMの"vsインセクター羽蛾"と、

隠しキャラにふさわしい壮大なBGMの"vs孔雀舞"はDM4ファンにも人気がある名曲で、

これらの曲が「封印されし記憶」の様な豪華なサウンドで聴ければ良かったのに…と常々思います。

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